今も古びない考え方

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

この本は1969年に出版されたものであり、知的生産の技術そのものは、その後のコンピューター技術の発展で解決されてしまっている事柄もふくまれており、必ずしも今適用できるものばかりではないが、取得した情報を整理して自分自身の考え方に作り変えて「情報を提供する」という、「知的生産」をするための基本的な考え方は、出版されて40年がたとうとしている今もまったく古びていない。
考え方が古びていないという意味では、技術的な内容は最新であるが、勝間和代氏の「効率が10倍アップする新・知的生産術」も、ほとんど同様の目的のための本であり、知的生産をうまくするための工夫は、いつの時代の人もそれぞれ考える必要があることがわかる。
勝間氏の本でこの「知的生産の技術」は紹介されており、また、今のウェブ時代のエリートの生き方をテーマにした梅田望夫氏の「ウェブ時代を行く」にも紹介されていたように記憶している。
だからこの本を読み始めた。
「知的生産の技術」の中で私がとくに参考になったのは、2章「発見の手帳」、5章「整理と事務」、6章「読書」である。どれも、一度はやってみようとトライして、結局挫折した内容ばかりなのだが、本書にもこういったことをめげずに習慣づけることが重要だと書かれていた。
知的生産にたどり着くために、まずは5章の整理を進めるため、自分のパソコンのフォルダー整理からはじめるしかないか?
と書きながら、すでにめげかけている自分がいる。
知的生産というのは、技術の問題ではなく、精神力の問題のような気がしてきたがいかがなものだろうか?